愛知県 みち さんのおいしいお話 (2011.05.19)
小学校の頃のお小遣いは毎日10円でした。
戦後の物資が不足する中、大人たちは働くことで精一杯でした。
学校が済むと私たち子どもはお小遣いの10円を手のひらに握りしめ、あき地に集まり石けりしたりかくれんぼをしたり、集団で暗くなるまで遊んでいました。10円で買えたもの。いっぱいありました。
アイスキャンデーは3円、煎餅一枚5円、飴玉一個1円、クリームパン10円、ブドウパン5円。
手の中の10円玉は魔法のコインのように私たちに欲しいものを与えてくれました。
今のように便利な電化製品もおもちゃもありません。振り返るとなつかしい思い出とともに、そんな時代にこそあった工夫して楽しむ心がよみがえります。
石ころ、土や草、道に咲く花、竹林や用水路、空き缶、新聞紙たちはいつでも遊びと共にありました。
あるものは何でも利用しました。遠い北の国から送くられてきたリンゴの入っていた箱は集会場の椅子になったり、家の中の本箱や勉強机に早変わりしたりしました。
そんなつつましい生活のなかで親からもらう10円は格別の楽しみでした。
10円の入った手の中はワクワク感で一杯です。
ニッキ水で染まった口の中を友達同士で見せ合って喜んだり、くじ付きの駄菓子ではハズレをひいてがっかりしたり・・・。それは楽しい一日の贅沢でした。
今戻ろうとしてもう戻れない、でも大切にしたい過去たちです。
大切な思い出を失くさないように、これからは、こどもたちにつつましく毎日の生活の中で満足を見つけること、あたりまえの生活のなかで工夫して遊びをみつけることが成長であり喜びであることを伝えてゆきたいと思います。
一日1個、飴玉ひとつで満ち足りた日々はあまりにも遠くなってしまいましたが・・・。
みちさん、投稿ありがとうございます。昔懐かしい食べ物は当時の思い出も一緒によみがえって来ますね。